インドネシア映画の記録

見たインドネシア映画の記録をする。

Belenggu(2012)

 

★★★★

面白かったー!!!幻覚と現実がはっきり別々に存在しているのに、その差が曖昧なので、見ているこちらもあわいに飲み込まれていく。その絡め取られる感覚と、ミステリである話運びの明瞭さ、両輪が完璧なバランスですごく好きです。

なぜ彼が選ばれたのか、彼女にとっては彼の過去からして当然だったのだろう。 女二人のあいだの情も、ただの擬似親子というよりもっと濃いものを感じて好きだった。

1998の華人襲撃がベースにあるのだろうな。インドネシア映画の暴力を暴力として描き切る力、本当にすごい。

ただ精神疾患とホラーは結びつけられがちで、そこは注意して扱うべき映画だと思う。今作の彼に関していえば決して精神疾患から犯罪を犯したわけではないのは重要なポイントで、その設定はカウンターにもなりうるけれど、でもそこは注意深く見ていないと伝わらない可能性があるし、明白にカウンターとして描かれたわけでもないので。

アビマナさん版Modus Anomaliといってもいいくらいアビマナさんの見たいところ見せてくれる映画でした。めちゃくちゃに可愛い。ヴェルディソライマンの演技のうまさも(一瞬のことなのに)味わえる。